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損害保険契約とは?


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契約のしおり

保険会社は約款および契約に関する説明を記載した「契約のしおり」を、保険業法100条の2(業務運営に関する措置) および保険業法施行規則53条1項8号に従い、契約者に対して交付するが、この契約のしおりに記載された内容も契約の一部を構成する。
裁判による契約内容の修正

約款解釈の態度は「客観的に」かつ「平均的な保険契約者の理解可能性」を標準として行うべきであるとされる。
裁判所は一般に約款の拘束力を認めている。
火災保険の例だが、大正4年12月4日大審院判決(民録21輯(しゅう)2182頁)がある。
裁判実務において約款解釈が保険者に不利とされる「作成者不利の原則(疑わしきは約款作成者不利に)」は、信義則(民法1条2項)から導き出される。
保険者は約款を一方的に作成しうる地位にあるが、そうした地位にある保険者としては自己の利益のみを考慮した約款を作成することは許されず、その内容を公正なものとすることが信義則上要請されるからである。
また、保険契約者にとって保険約款を完全に理解することは難しく、契約条件を十分に理解しないまま契約が締結されることも少なくない。
なお、この「作成者不利の原則」は、約款の拘束性を認めたうえでの解釈指針にとどまるものであることに注意が必要である、つまり、前記のとおり行政による契約内容への一定程度の介入があることを前提とすれば、法的安定性の要請から、裁判所の解釈による修正は、文字通りの意味ではとくに不合理な結果となる場合に限定され、解釈により修正が行われる場合でも比較的狭い範囲に限定することが適当とされている。
 例1 最高裁平成9年3月25日判決(民集51巻3号1565頁)で、火災保険普通保険約款22条ただし書にある「30日条項」は合理性がなく、当該期間経過後は保険金支払の遅滞責任がある、とされた。
 例2 最高裁平成15年7月18日判決(民集第57巻7号838頁)で、税理士特約第5条第2項に関し、モラルリスクがない場合には適用されないとされた。

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損害保険契約成立の要件
当事者・関係者

保険者、保険契約者、被保険者が当事者・関係者である。
保険契約者は保険料支払義務がある。
被保険者は後記「被保険者利益」を有する者でなければならず、そうでなければ契約が無効とされるので、保険者は保険契約の締結にあたり、保険の目的と被保険利益の存在、被保険者の関係の確認を行う。
保険契約は、契約者と被保険者の関係により次の2つの類型に大別される。
 自己のためにする損害保険契約 契約者=被保険者
 他人のためにする損害保険契約 契約者≠被保険者
このうち、2.は民法上、第三者のためにする契約(民法537条)の一種であるが、保険法上は被保険者は受益の意思表示を行うことは不要とされ、当然にその契約の利益を享受する(保険法8条)と修正されている。
保険事故

「保険事故」とは、「保険者の損害填補義務を具体化させる事故」である。
「危険」という用語も使用され、「担保危険」ともよばれる。
保険事故発生の客体となるものを「保険の目的」という。
保険事故は損害保険契約の定義にもあるように「偶然な」「一定の」出来事でなければならない。
契約成立時にその将来における保険事故の発生・不発生が不確定であることが必要であり、保険法5条では、「保険契約者が当該損害保険契約の申込み又はその承諾をした時において、当該保険契約者又は被保険者が既に保険事故が発生していることを知っていたときは、無効とする。
としている。
保険期間

保険者がその期間内に保険事故が生じた場合に損害を填補するとするもの。
被保険利益

簡単にいうと、「損害の発生によって滅失するおそれのある利益」をいう。
通説では、被保険利益とは「保険の目的につき保険事故が発生することにより被保険者が経済上の損害を被るべき関係」とされており(保険法3条、9条参照)、「関係」とあるのは1つの保険の目的物に対して所有者としての関係、担保権者としての関係、債権者としての関係など、異なる立場で保険契約を締結することが可能であることを指している。
被保険利益の存在は、損害填補を目的とする損害保険契約の本質的要素であり、被保険利益が存在しない損害保険契約は無効である。
実務上、契約締結時に被保険利益が生じる原因となる、保険者が損害填補を行う対象となる損害の種類を定め、保険契約申込書に明記することによって特定が行われる。
なお、「損害填補原則」とは、実際に被った損害を超えて保険給付を支払うことができないとする原則である「利得禁止原則」のことをいう。
保険価額

被保険利益の評価額を保険価額という。
保険の目的に関し保険事故の発生により、被保険者が被る可能性のある損害の最高限度額となる。
実務上、保険商品の性質に応じ、時価額または再調達価額のいずれかを基準として保険価額を評価することとされており、保険契約締結の際、事故に先立ち予め保険価額を協定した保険を評価済保険といい、「協定保険価額×損害率」で損害額を算定する。
保険金額

保険者が支払う保険金の限度額をいう。
保険価額と保険金額は必ずしも一致しない。
保険金額と保険価額が一致する保険を全部保険といい、保険金額が保険価額よりも小さい場合を一部保険といい、逆に大きい場合を超過保険という。
超過部分については、当事者が善意・無重過失の場合、取り消すことができる(保険法9条)。
なお、責任保険では、英語のLimit of Liabilityを訳したものとして(賠償金の)填補限度額ということが多い。
保険料

保険者が危険負担の報酬として受ける額をいう。
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