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完全雇用とは?
ウィキペディア目次へ完全雇用(かんぜんこよう)とはマクロ経済学上の概念であり、ある経済全体での労働市場の需要と供給が一致している状態。目次
1 概要
2 完全雇用時の失業水準
├2.1 失業率からのアプローチ
├2.2 インフレーションからのアプローチ
└2.3 失業の分類によるアプローチ
3 現実の完全雇用
4 外部リンク
5 関連項目
概要
失業の発生に対して、生まれた概念であり、本質的に失業がない状態を指すが、概念の運用に関しては必ずしも失業率0%を意味しない。
失業自体の概念があいまいであることから、完全雇用の概念もまた、あいまいである。
もともと、失業による社会不安をなくすという政策的意味合いがこもった概念である。 完全雇用時の失業水準
失業率からのアプローチ
20世紀の英国の経済学者、ウィリアム・ベヴァリッジは3%の失業率をもって完全雇用であるとした。
他の経済学者は、それぞれの国、時期、また個々の経済学者のもつ政治的立場によって異なるものの、おおむね2%から7%の失業率を完全雇用としている(一般に、より保守的な立場の者は、社会民主主義的立場の者よりも完全雇用失業率を高くとらえる傾向がある)。
また単一の失業率ではなく、完全雇用失業率の「範囲」を推計しようとする立場もある。
例えばアメリカに関する経済協力開発機構(OECD)の完全雇用失業率推定値は、1999年において4%から6.4%であり、これは「構造的失業率」推定値、プラス/マイナス推定標準誤差という形をとる。
OECDは他の諸国に関しても完全雇用失業率の推定値を公表している(同推定では日本は4.0%プラスマイナス0.3%)。 インフレーションからのアプローチ
1968年(あるいは67年)、マネタリスト学派の主唱者ミルトン・フリードマンは、エドモンド・フェルプスとともに独自の完全雇用失業率の概念を創出し、これを「自然失業率」と名付けた。
もっとも、この自然失業率は経済が規範的な目標として目指すべきものとは考えられていない。
フリードマンらが主張するのは、完全雇用状態を得ようとするのではなく、政策担当者はまずインフレ率を安定化させる(非常に低いレベル、あるいはゼロに)ことに努力すべきだ、ということである。
もしそういった経済政策が維持可能なものであったならば、失業率は次第に「自然」失業率まで低下するだろう、というのがフリードマンの説である。
フリードマンの考えはマクロ経済学に大きな影響をもたらし、現在では完全雇用とは、ある所与の経済構造の下で維持可能な最低レベルの失業率を指すことが多くなった。
これはこの用語を最初に用いたジェームズ・トービンにならってインフレ非加速的失業率(NAIRU=Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment)と呼ばれる。
概念としては自然失業率と同一であるが、経済には自然なものは何一つない、という立場から「自然」の言葉を避けているともいえる。
完全雇用状態にあっては、循環的(あるいは労働需要不足による)失業は存在しない。
もし経済が数年にわたってこの「自然」失業率あるいは「インフレ閾値」失業率以下で推移するならば、インフレは加速するはずである(賃金および物価に関する外的統制がない前提で)。
逆に、もし失業率がこのレベル以上で長期間推移するならば、インフレは沈静化するはずである。
こうして、インフレ率が上昇も下落もしないような失業率としてNAIRUは導出されるのである。
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